石川県「メルヘン日進堂」

 1913年2月1日(大正2年)の創業。地元では古くから和洋菓子で親しまれてきた名店です。
 バウムクーヘンは三代目社長の日野知明氏が約50年前に製造を開始し、そして2004年には、楽天市場にも店をかまえました。さまざまなお菓子の技術を駆使して、日々「おかしなものづくり」に取り組んでいるお店です。  

 お店のある珠洲市(すずし)のことを少し。

道の駅すず塩田村

画像はWikipeidaより: 撮影者 アラツク - 投稿者自身による作品 CC 表示-継承 4.0, リンクによる

 珠洲市は、揚げ浜式の塩田で知られている場所のようです。
 道の駅すず塩田村では、売店などを利用できるほか、加工体験ができる工房、塩の資料館も楽しめます。

石川県観光連盟のサイトからダウンロードした「能登丼」 そして能登丼という美味な物があることを、観光情報を検索して知りました。
(写真は石川県観光連盟のサイトからダウンロードしました)
 能登丼の定義としては、使用する米や食材は奥能登のもの、器は能登のもの、調理は奥能登で、などが定められているそうです。食べてみたいですね。  

「メルヘン日進堂」ご紹介

 当サイトがバウムを熱心に購入するようになったのが2005年ころからでしたが、そのけっこう早い段階で、メルヘン日進堂さん(楽天市場では「おとぎの国メルヘン」)のバウムクーヘンを食べたような記憶がありました。そこで大昔のブログを探してみますと、ありました。
 この画像の上段2枚は(クリックすると大きくなります)、2007年購入のチーズクーヘンと書いてありました。そのころ楽天市場で入札価格非公開の販売があったようで、記録によれば「少しお得に買えた、わーい」と、喜んでおりました。
 下段2枚は、2006年に「楽天市場で送料を入れて1000円というものが売られていた、わーい」と狂喜乱舞していたようです。安いからミニサイズなのかと思ったら通常サイズだったーと、いまの自分が読んでも、かなりうれしそうに書いています。
 自分で記録していたどちらのコメントにも共通していたのは「大げさな宣伝を書かないけれど商品がちゃんとしている、わざとらしくないのによいものを作っているのはいいことだ」といった内容でした。
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 ただ、このときの当サイトは、まだ気づいていなかったことがありました。
 メルヘンさんのバウムは、心棒が細いのに焼く層が多いので、焼くのはとてもたいへんだけれど食べる側にはうれしいのです。つまり、他店で同じ15cmくらいのバウムを買った場合より、可食部分が多いということです。

 お店のご厚意で、撮影済みの店内画像を編集させていただきました。(細部は、本日現在とは異なる可能性があります)
 こちらが正面から見た店内です(クリックで拡大)。ちなみに外観は、このご紹介ページの背景になっております。夢のあるデザインで、美しいですね。 ページ背景の外観画像をご覧になりたい方はクリック

 その場所でお店をなさっているきっかけを、いつもお店への質問リストに入れておりますが、今回もお伺いしました。
 お店を出すために物件を探したのではなく、初代(現社長さまの曾祖父)のころからずっとお住まいの地域で開店した、ということだそうです。

 

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 店内の左手奥です。店内は、おおまかに、左手側がギフト用の商品や、リング型以外のバウム(たとえば花瓶のような形の「珠洲焼の里」や、ビアマグの形をした「乾杯! ビアクーヘン」など)。
 中央が小さめパッケージの多用途商品、そして右手側が、焼き菓子と生菓子です。

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 こちらは右手。陳列されているお菓子の奥に、オーブンが見えます。店内にオーブンがあるだけで、お菓子好きのみなさんの心を、ぐっと鷲づかみ。  
 お話によると、バウムクーヘン用のオーブンは、ガスを使用されているとのことでした。熱がたいへんこもるので、それを利用した温風乾燥機を独自に開発されたそうです。

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 右手奥。バウムクーヘン、そして上の段は生菓子も。たくさんありますね。この一画だけでも、ずっと見ていたい華やかさ。
 カスタードクッキーシューという商品が人気だそうです。また、お店全体で、季節商品などの単発も含めて、300品目くらいの取り扱いがあるとのこと。
 さて、ほかにも少しお写真をいただいておりますので、また最後のほうでご紹介するとしまして、以下にお店からいただきましたメッセージを、そのまま掲載させていただきます。

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 ご存じのとおりバウムクーヘンは元々ドイツの国菓であり、バウムクーヘンを焼く際の原材料も規定があり、それ以外の材料を使用することはバウムクーヘンと認められないということ
 そしてその素材の配合割合及び製法まで決まっており、さらに認められた職人しか焼けないというのが本来のバウムクーヘンであると認識いたしております。

 1919年にカール・ユーハイム氏によって日本にバウムクーヘンの文化が伝えられ、1世紀が過ぎ、様々な土地所にその文化が伝わり、能登半島最北端までしっかりと伝わっており
 今日もバウムクーヘンが焼けることが何よりありがたく、
 まずもって日本におけるバウムクーヘンの文化のはじまりをつくってくださったカール・ユーハイム氏に感謝と敬意を表したいと思います。

 その上で、弊社が作り出すバウムクーヘンについては、伝統製法にのっとり、バターを使用し伝統の別立て製法にて焼かせていただいておりますが、
「バウムクーヘン」と呼ぶには恐れ多く
 実は「バウムクーヘン風お菓子」というのが正しいのではないか、と考えております。

 これは能登でお菓子屋を継続するために、得意とするバウムクーヘンにて付加価値を高める為に能登の里山野菜の使用をしたり、お菓子の演出の為に一部フレーバーのエッセンスを足したりして表現するバウムクーヘンについて、特にそう感じております。

 表記の義務はないものの、弊社といたしましては、「バウムクーヘン風お菓子」という認識であるということを、この場をお借りしてお伝え致しておきたいと思います。

 立地条件は決してよいものではないかもしれませんが、それは逆に最大の強みとも感じております。

 昨今の大変な状況下でございますが、能登のさいはて『珠洲』ぜひ一度、足を運んでいただきたい所です。

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 メルヘン日進堂さま、このたびは、お店紹介の記事へのご参加、ありがとうございました。

 実は、当方が差し上げました質問のリスト以上に、四代目の石塚社長はたくさんのことを書いてくださいました。ありがたく拝見いたしました。
 代々の家業ではあっても、お店を継ぐ以前には別の職業にお就きだったことや、職人として製菓の修行をなさったことはなくとも、個性的なスタッフのみなさん、地元のみなさんに囲まれて、生まれ育った土地で"口から入り体から出るまでのおいしさ"を信念に、お店を運営されていること。素材選びにはとくに留意されているご様子です。
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 私事になりますが、当サイトは10年以上も「バターを使っているか」、「バターとバター以外の油脂の、どちらが主か」という面で、全国(ときに外国)のバウムクーヘンの分類をしてまいりました。バターを使う商品のほうが圧倒的に美味だからです。そして、サイトを開始した当時は、本格と書いていながらマーガリンが主であるなどの商品が、少なからずあったので、区別せねばとの思いもありました。
 ですがこの数年に関してはとくに、コストや効率の意図ではなくさまざまな観点から、あえてバターのみではなく特定の○○油を使うなどのお店も出てきています。
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 今後も、誇大広告や誘導で「本格」や「バター使用」を名乗りつつも主にバター以外を使っているお店はチェックして参りますが、使用する原材料と同等またはそれ以上に肝心なのは、お店が消費者に正直であるかどうか、すじが通っているかどうかだと、考えるようになりました。

 メルヘン日進堂さんは、上述のメッセージで「バウムクーヘン風お菓子」とご謙遜されました。ですがその姿勢こそ、当サイトや、多くの消費者がこの先よりどころとしていくお店の姿ではないかと、深く感じた次第です。
 メルヘン日進堂さま、今回のご参加を、あらためてお礼申し上げます。
 バウムの書/お菓子屋さん応援サイトmikimarcheから、お知らせがはいります。

2021月7月17日: 掲載準備中のお店が1軒あります。
夏で掲載の頻度が下がっていますが、今後ともよろしくお願いします。
少しずつHTMLファイル配布を開始しています。

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